生化学検査の見方

ALT (GPT)

標準値 5~45

肝臓に最も多く含まれている酵素です。
肝細胞が破壊されると血液中に流れ出すので、急性肝炎で最も強く上昇し、慢性肝炎た脂肪肝(肥満)などでも上昇します。
激しい運動の後に一過性の上昇がみられることがあります。

AST (GOT)

標準値 11~37

心筋や肝臓に多く含まれ、骨格筋、腎臓、血球にも認められる酵素です。
心筋梗塞や急性肝炎、アルコール性肝障害などで上昇します。
その他運動後に一過性の上昇が見られることがあります。

γ-GTP

標準値 10~65

肝、胆道、膵、腎などに多く含まれる酵素です。
上昇する疾患は閉塞性黄疸、肝炎、アルコール性肝障害などです。
病気がなくても長期飲酒者では上昇することが多く1ヶ月位禁酒するとある程度正常化します。

総蛋白 TP

標準値 6.5~8.2

血清中には80種類以上の蛋白が含まれ、種々の機能を持ち、生命維持に大きな役割を果たします。
その総量を総蛋白として測定します。

アルブミン ALB

標準値 3.5~4.5

血清蛋白の50%以上を占めるアルブミンは、病気などで栄養が悪くなると減少するため、健康診断のスクリーンニングとして大きな意味があります。

アルブミン対グロブリン比 A/G

標準値 0.9~1.5

血清蛋白はアルブミン(A)とグロブリン(G)に分けられ、その比率は健康な人は一定の範囲にありますが、病気によってはその比率が変化(主として減少)してきます。

コレステロール CHOL

標準値 110~259

血清脂質の一つで、一般に脂肪の多い食事を続けていると上昇します。
また、肝臓などで作られ、肝、胆道、腎、甲状腺の病気でその値が上下することがあります。
血清コレステロールが多くなると動脈硬化を起こしやすいとされています。

赤血球数 (RBC)

標準値 男性425~570 女性375~500

赤血球は血液の主な細胞成分で、酸素を肺から各組織へ運ぶ働きを持っています。

ヘモグロビン量 (Hb)

標準値 男性13.3~17.4 女性11.2~14.9

血液の赤い色は赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)によるもので、赤血球の働きの中心となっています。

ヘマトクリット値 (Ht)

標準値 男性39.0~50.4 女性34.0~44.0

ヘマトクリット値は一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)をパーセントで表したものです。

平均赤血球容積 (MCV)

標準値 80.0~100.0

赤血球1個の平均的容積、すなわち赤血球の大きさの指標となるもので、赤血球数とヘマトクリット値から算出したものです。

平均赤血球ヘモグロビン量 (MCH)

標準値 26.0~34.0

赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表したもので、赤血球数とヘモグロビン量から算出したものです。

平均赤血球ヘモグロビン濃度 (MCHC)

標準値 32.0~36.0

赤血球の一定容量に対するほヘモグロビン量の比を%で表したもので、ヘモグロビン量とヘマトクリット値から算出したものです。

白血球数 (WBC)

標準値 35~100

白血球は細菌などを貧食し、免疫情報を伝達し、さらに免疫能を発現して生体防衛にかかわっています。
細菌感染症があると一般に白血球は増加しますが、ウイルス感染症の場合はかえって減少することがあります。

血小板数 (PLT)

標準値 14.0~38.0

血小板は出血を止めるための重要な働きを持ち、この値が極端に減少すると出血傾向を起こしやすくなります。

上記の標準値は、献血を希望された方々の検査結果から算定したもので、
正常または異常を表すものではありません。